〈親知らずについて〉
親知らずとは、一番奥の歯、つまり永久歯の第三大臼歯のことで、
上下左右で合計4本あります。親知らずはみんなが生えるものではなく、
全く生えない人や全部揃っていない人も多いのです。
最近は、やわらかいものを食べる傾向が強まって、歯を支える骨格が
小さくなり、第三大臼歯も進化しているのです。
◆ 親知らずが痛くなりやすいのは?
虫歯でないのに痛むのは、特に親知らずが生えてくる時に、歯の上にある歯肉が、
上の歯に噛まれて傷ついたり、また歯の周りに汚れがたまっていたりすると、
細菌感染により炎症を起こし、智歯周囲炎となります。すると口が開かなくなったり、
熱が出たりして痛むこともあります。特に体調が良くない時に腫れやすかったりします。
□ 異常に生えた親知らずが起こす問題点
@磨きにくく、食べ物のカスなどがたまりやすく
むし歯になりやすい
A歯ブラシが届きづらく、
むし歯や口臭の原因になりやすい
B手前の歯を押したりして歯
並びを乱したり、かみ合わせが悪くなる可能性がある
C手前の根を押した場合、その根を溶かしてしまうことがある。
D親知らずが原因で
歯肉炎を起こすことがある、
また上の親知らずのみ生えてきた場合、下の歯肉を噛み炎症や腫れの原因になりやすい。
E顎関節症の原因になることもある。
F深いところに埋まっていても、転んだり殴られたりと下の顎に外力が加わった時に
骨折の原因となることがある。
□親知らずは抜いたほうがいいのか?
親知らずが生えなくても全く問題はありません。
正常に生えてきたら他の歯と同様に大切にして下さい。
問題は、生え方の異常な親知らずです。例えば
@はぐきの横からはえてきた
A顔を出しそこなってはぐきの中に潜ったままになっているなどです。
親知らずは他の歯が生え揃ってから生えてきますから、顎の骨が小さくなっている現代人では、
歯の生える場所がありません。
症例にもよりますが、大抵のものは抜歯そのものは、痛みもほとんどなく簡単に治療できます。
また難症例と判断したものは他の医療機関と連携して処置を行いますので、
お気軽に当医院にご相談ください。
〈抜歯後の痛み〉
ドライソケット
歯を抜いた後、経過がよければ、当日および翌日の痛みは正常な範囲ですし、
その後の痛みは徐々に薄れて鎮痛剤のお世話になることもありません。
ところが、抜歯後2〜3日ほど経過した頃から突然、痛烈な痛みが発現することがあります。
歯を抜いた直後は当然のように出血します。
出血した血液は、歯を抜いた穴(抜歯窩)に貯留した状態でゼリー状に固まります。
外傷の場合の”かさぶた”に当たるのがこの血餅(けっぺい)です。
抜歯窩の表面は骨です。
この露出した骨面を血餅が覆うことにより外来刺激や感染から守ってくれえるのです。
ところが、種々の原因により出血が少なかったり、飲食や日常のうがいにより、血餅の停滞が悪く、抜歯窩の骨面が口腔内に直接露出してしまいます。
そして、露出した骨面が炎症を起こした状態を”ドライソケット”といいます。
自家移植治療
歯の自家移植とは、自分の不要な歯を抜き、歯がなくなってしまったところに植することです。
自分の歯が再び生えたような使い心地のよさがあり、これは入れ歯などとは比較にならないでしょう。また、移植した歯はあごの骨とつながって、完全に生きた状態になります。
◆誰にでもできるか
自家移植は誰にでもできるというものではありません。
不要な歯といっても虫歯でぼろぼろの歯は使えませんし、
健康で不要な歯というものがあるか問題です。
しかし、運良く健康な親知らずや過剰歯(歯肉に埋もれている歯)などがあれば使う事ができます。
◆ 自家移植の方法
移植する歯を歯の根っこごと抜いて、そのまま移植する場所の歯槽骨というところに植え付けます。
簡単なようですが、いくら自分の歯といっても形や大きさが違いますのでうまくつかないケースもあります。
自歯再生治療
歯はさまざまな原因で折れたり抜けたりします。
歯が折れたりした場合でも条件がそろっていれば再びくっつけることができます。
また、根っこからポロリと歯が抜け落ちてしまった場合にも復元させられることがあります。
◆自歯再生の条件
何年も前に折れた歯をとっておいて再びつけるのは不可能です。
折れたり抜けたりした歯が乾燥してしまうと復元できません。
ですから、歯が折れたり抜けたりした時は乾燥を防ぐためにまず口の中に入れてください。
歯に汚れがついている場合は決して強くこすったりせずに軽く水で流すようにして下さい。
次に牛乳につけて保存し、なるべく早く治療に来てください。
あまり時間が経ってしまうと再生できなくなってしまいます。
◆自歯再生の方法
折れた歯の場合、接着剤でつなぎ合わせます。
抜けた歯は抜けた場所の歯槽骨というところに植え付けます。
あとは金属などでそこを固定し、定着するのを待ちます。
麻酔
麻酔をさせていただく皆様へ
歯の治療をしていくためには、小さな虫歯でない限り、神経の存在する歯では麻酔は必要不可欠なものです。非常に不快なものではありますが、当院では、次の点に留意して、
なるべく痛みを生じさせない下のような方法で局所麻酔をさせていただきます。
@表面麻酔の薬を塗布する。
塗ることによって、『チクッ』とするのを防ぎます。
A細い針を用いる。
昨今では、随分と細くなり痛みが軽減されました。昔より、格段にラクなようです。
Bゆっくり時間をかけて麻酔する。
急げば急ぐほど、痛みが増します。
ただ、麻酔が効きにくい状態ということもあります。
・ 炎症がひどい場合(痛み・腫れ)
・ かなりの緊張をしている時
・ 体調がよくない時
・ 歯周病がひどい方
・ 1歳未満 など
このような場合は、麻酔を追加せず応急処置のみとすることもあります。
これは医療事故を防ぐためでもありますので、ご了承下さい。
どんなに慎重にやってはいても、何も感じさせないという訳にはなかなかいきません。
その点をご了承願います。
なお、
・ 以前に麻酔のトラブル等おありだった方
・ 効きすぎる方
・ 効きにくい方
・ 歯科治療が初めての方
・ 歯科麻酔をかけるのが初めての方
・ 内科・外科含め、今まで注射によって気分が悪くなったことがある方
・ 現在アレルギー症状のある方
・ 糖尿病・血圧のコントロールができていない方 など
上記に当てはまる方は、何でも結構ですのでお申し出ください。
また、不安なこと、ご質問等ある場合も遠慮なくお聞き下さい。