歯周病の検査を行います。
1)歯周ポケットの深さを測定します。
歯周ポケットとは…
・歯面、歯頚部(歯と歯肉の境目)に付着したプラーク、
歯石が歯肉の炎症、腫脹をおこし、歯肉溝を深くします。
・健康なポケットの深さは2〜3mmです。
歯周病の予防 〜お口の中の環境改善〜
プラーク(歯垢)は、細菌の塊です。
そのプラークを、ブラッシングすることにより、
除去し、歯肉が引きしまり、ポケットの深さも
徐々に浅くなってきます。
★毎日のブラッシングと、定期的な除去が大切になります。
歯ぐきをよ〜く見てみよう!
ご自分の歯ぐきをよーく見たことがありますか?
歯ぐきの色は?形は?健康そう?それとも…
下の写真で、ご自分の歯茎に近いのはどれですか?
A 健康歯肉
歯茎の色は淡いピンクで歯間の歯茎の形はシャープなピラミッド型を
していて、硬く引き締まっています。歯茎の表面はスティップ
リングと呼ばれるオレンジの皮にあるような小さなくぼみが多く見られます。
B 歯肉炎
歯周ポケット3〜4mm程度
歯肉炎歯茎の色は赤く、歯間の歯茎は丸く腫れています。
少しの刺激で出血しやすい状態です。
C 軽度歯周炎
歯周ポケット3〜5mm程度
軽度歯周炎歯茎が炎症(発赤・腫張・出血)し、退縮
(歯茎が下がって根の部分が見える状態)しています。
歯のぐらつきはほとんどありません。
D 重度歯周炎
歯周ポケット6mm程度
重度歯周炎歯茎の炎症や退縮が増え、歯のぐらつきも多くなります。
歯茎から膿が出てきます。
歯周病とは
歯の周りの組織、歯肉(歯茎)、歯槽骨(歯を支えている骨)などの病気です。歯周病のほとんどはプラーク(歯垢)中の細菌が原因となって起こる炎症性の
病気です。大きく、歯肉炎と歯周病に分けることができます。
歯肉炎:歯肉のみに炎症が生じたもので、歯槽骨などには病気が進んでいない状態です。歯肉炎は歯周炎の前段階です。
歯周炎:炎症が歯肉の内側、歯槽骨などまで進んだ状態です。
歯周ポケットから 膿が出たり、歯槽骨がなくなって歯がぐらついたり、
口臭も増加します。
2)歯の動揺度を調べます。(歯が動いていないかどうか)
歯がグラグラと動くのはなぜ?
1.歯槽骨が吸収されて、歯を支えられない時。
2.咬み合わせが、うまくいっていない時。
強すぎる咬み合わせは、歯周病を悪化させる原因になります。
3)歯肉からの出血を調べます。
歯周ポケットの深さを測る時、歯肉の炎症により、出血した部位を
チェックします。
●ブラッシングの目的は〈歯垢〉を取り除くこと
虫歯や歯槽膿漏、歯肉炎を引き起こす原因菌は歯垢(プラーク)にあります。
歯垢は細菌のかたまりです。この歯垢を毎日の正しいブラッシングによって
取り除いておかないと、健康な歯を維持することはできません。
虫歯が原因で頭痛、肩こり、内臓疾患などを引き起こしたりすることもあります。
集中力の低下にもつながり、仕事や勉強の能率も下がってしまいます。
毎日をより快適に過ごし、食べ物をおいしく食べるため
●歯ブラシの選び方のポイント
1.大きさ
大きい歯ブラシでは口の中で動きがとれません。
歯の奥までとどくような、小さめの歯ブラシを選びます。
使う人の上の前歯2本分くらいが良いでしょう。
2.硬さ
やや硬めで毛先に弾力性のあるものがおすすめですが、
歯肉炎などの症状のある方は、少し軟らかめのものを使用し、
回復してきたら少しずつ硬めのものにしてみましょう。
●歯ブラシの取り替え時期
歯ブラシを背のほうから見て毛先が柄からはみ出してきたら、
取り替えの時期です。目安としては、月に1本位です。
●歯みがき剤
歯みがき剤を使用すると、ブラッシングが短時間になりがちです。
最初は歯みがき剤なしでゆっくりと時間をかけてブラッシング、
その後で歯みがき剤を使用するのがよいでしょう。
量は『毛先にほんの少しだけ』でよいのです。
◆ブラッシングの基本
1本1本ていねいに歯垢を取り除くことがブラッシングの目的です。
鏡を持って目で確かめながらみがくとみがき残しが減ります。
1.力を入れすぎない。ゴシゴシではなくサラサラと。
2.みがく場所によってブラシの持ち方を工夫する。
3.みがきにくい場所からみがく。みがく順序をきめる。
●スクラッビング法(一般的)
歯肉と歯の境目にブラシを45度の角度であて、歯周ポケットの中に
ブラシの先を入れてやさしくふるわせる。
●バス法(歯周病改善)
歯肉と歯の境目にブラシを45度の角度であて、
歯周ポケットの中にブラシの先を入れてやさしくふるわせる。
●フォーンズ法(子供やうまくみがけない人)
外側/歯肉と歯に対して直角にあて、円を描くように
上下の歯を一緒にみがく。
内側/あごの内側から歯の裏側にかけて、大きく往復を
繰り返しながら全体をみがく。
ブラッシングの補助器具
ブラッシングで取りきることのできなかった歯垢や食べカスを取り除く補助器具です。
●歯間ブラシ
細い針金の周囲にブラシをつけたようなものです。
歯ブラシの毛先が入りにくい歯と歯の間、歯茎の近くをきれいにします。
すき間にいれて前後します。かなりの歯垢や食ベカスがとれます。
サイズはS.M.Lなどいろいろありますので自分にあったものを選び、
入らないところには無理に入れないようにします。
●デンタルフロス(糸ようじ)
ナイロンの糸を歯と歯の間にすべらせるようにいれて、歯垢や食ベカスを
しごき出します。すき間のせまいタイプの人につかえます。
●電動歯ブラシ
ブラシ先端が左右に振動するものや、回転するものなどがあります。
便利なものですが、力のコントロールが難しいようで、じょうずに
使いこなさないと歯肉を痛めたりすることがあります。
歯肉に炎症のあるときはひかえます。
歯石とは?
プラーク(歯垢)が唾液に含まれるカルシウムなどと結合し、
石灰化したものが歯石です。歯ブラシではとれないので、
歯科医院で除去してもらわなければなりません。