矯正治療をはじめる時期 → 適齢期は人それぞれです。
いろいろな不正咬合
不正咬合の多くは遺伝的原因、環境的原因、どちらもの影響を受けていることがあり、原因を特定できないことも多いです。
また、それゆえに適切な時期に治療を行うことが大事とされ、早期に発見し、早期に治療を開始すべきものや、経過観察後に時期をみて治療を行うもの、と判断を要するため、おかしいかな?と思われたり、気になることがございましたら一度来院・相談されてみてください。
歯並びのよい子に育てるために
子供の体はまるで粘土みたい!
「成長期の子供の体は粘土のよう」
弱い力でも、毎日同じところに力がかかると、体はその方向に歪んで育ってしまうのです。
☆悪い例
立った時の姿勢が片方に傾いているとその子の口の中を見ると多くの場合、歯の正中線(上下の前歯の中心線)がどちらかにずれています。
原因として考えられるのは、
・テレビの方を見ながら食事をしている
・テレビを見る時、本を読む時、頬杖をついて、
顔をどちらかに傾ける
・寝る時に必ずどちらか片方の頬を下にする 等
「それだけのことで、あごがずれちゃうの?」と驚くかもしれませんが、毎日365日分、積み重なると膨大な時間となって体に蓄積されていってしまうのです。
☆良い例
姿勢の悪さが原因で咬み合わせに問題が出ているケースでは、原因を取り去って、姿勢を真っ直ぐにする訓練をすると、姿勢の悪さはもちろん、あごのズレも軽減してきます。
まさしく、子供の体は粘土のよう、生活習慣を正しくするだけで、どんどんいい方向に成長します。
かむ力にも影響大!食事中の姿勢
子供の座高にぴったりの椅子とテーブルを使っていますか?
以前に行われた調査では、ダイニングテーブルに座って食事をしている子の55%は「足が安定していない(大人用の椅子に座るなどして、足がブラブラしている)」とのことでした。
実は、足がブラブラしている状態では、咬合力(かむ力)も咬合面積も15%ダウンしていることがわかっています。
小さな子にはぜひ、足置きのある子供椅子に座ってもらいたいものです。
食事中の姿勢も真っ直ぐになります。
では、正座して食べればいいのか…というと、そうでもありません。座卓で食べている子の場合も半数近くが「足を崩して食べる」と答えていて、正しい姿勢とは程遠い状態。足を崩して食事をすると、体の軸がずれた状態でかむことになるので、あごの発育に悪影響が出るだけでなく、脊椎など、全身がゆがむ原因になるのです。
日頃の姿勢があごの形を決める
「姿勢の悪い子が増えている」というのは、最近多くの人が感じていることでしょう。猫背の子も多いですが、脱力系の姿勢(首がガクッと前に出て、下あごがさがり、口がポカンと開いたような姿勢)の子も増えてきているようです。
これは腹筋や背筋力など体を支える筋肉が育っていないこととも大きく関係しているようです。ほかにも、首が左右どちらかに傾いでいる子も気になりますね。
このような姿勢の悪さは、あごの形と非常に深くかかわってきます。
姿勢は真っ直ぐですか?
猫背の子には過蓋咬合の子が多いと言われています。
脱力系の子には上顎前突が多く、首が左右どちらかに傾いだ子は咬み合わせがズレている傾向があります。
もちろん歯数の問題、生える順番等の問題もあるでしょう。
しかしながら、本来正しい咬み合わせとなるべき子供が、生活習慣が悪いために不正咬合を引き起こしているとしたら、後から後悔しても遅いのです。
正しい姿勢を保つことは、あごだけでなく、体のすべての骨を正しく育てることにつながります。姿勢を保てるだけの腹筋力や背筋力を育てることも重要であるように思われます。
あごの形をゆがめるくせ
姿勢や口呼吸のほかにも、さまざまなくせがあごの形をゆがめています。猫背、横を向いて食事をする、左右どちらかだけを下にして寝る、えんぴつや爪をかむ、唇をなめる、かむ、吸う…
さまざまなくせが、知らず知らずのうちにあごの形をゆがめ、不正咬合の原因を作っています。なかでも、あごをゆがめるくせのナンバーワンが指しゃぶりです。
上顎前突(出っ歯)、開咬、交叉咬合、叢生などさまざまな不正咬合の原因となります。
なぜ指しゃぶりが歯並びを悪くする?
☆指で上あごを前に押す
指しゃぶりでもっとも問題が大きい「親指吸引」の場合、上あごと上の前歯が前に引っ張られます。
その結果、子どもの骨はまだ粘土のようにやわらかいので引っ張られ続けた方法に、あごや歯が前方に突き出る上顎前突になるのです。
☆上下の前歯にすき間ができる
しゃぶっている指の影響で、上の前歯が前に押し出され、下の前歯が内側に引っ込みます。そのため、歯と歯の間に指の厚さ分のすき間ができ、開咬になってしまいます。
☆上くちびるがめくれあがる
指しゃぶりをする子は、鼻づまりがなくてもいつも口をぽかんと開ける傾向があります。その結果口呼吸が習慣化してしまい、上くちびるがしまりなくめくれあがってしまうのです。
☆舌癖が始まる
上下の前歯の間にすき間ができると、食べ物を飲み込む時に前歯の間に舌を押しつけ、はさむくせも生じてしまいます。
サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずとなり、発音が不明瞭になります。
☆あごがせまくなる
指を吸引していると口腔内がいん圧になり、頬が内に入ってくる為、あごの横方向への発達が阻害されます。
そのためきれいな馬蹄形にならずV字型のあごになってしまいます。
☆上下の歯がずれる
上あごの横幅が狭くなると、順調に育った下あごとのバランスが悪くなって、上下の歯がうまくかみ合わなくなります。そのため、歯を横にずらしてかむ習慣がつき、交叉咬合の原因になります。
1 叢生
叢生とは俗に言う乱杭歯のことです。歯がきれいに並ぶための隙間が足りないために歯並びが叢(くさむら)のようにでこぼこになった状態をいいます。主に前歯に多く、特に、上の犬歯(糸切り歯)が外側にはみ出したものは、八重歯といわれています。これは永久歯の生える順番のなかで上顎では犬歯が一番遅いので、隙間が足りないとはみ出てしまうのです。
下顎では上顎とは違って、第二小臼歯といわれる側方の歯が一番遅く生えるので、内側にはみ出すことが多く見られます。
八重歯は、日本的感覚では、かわいらしいというものですが、これは日本独特のものです。欧米では逆にドラキュラを思わせるのでいやがられています。最近では日本でも八重歯は良くないという考えが広まってきていますが、今後ますます社会に浸透することが予想されます。
一方、年をとると八重歯はなくなるから、そのままでいいという人もいます。それはお年寄りは八重歯が喪失してしまってないことをいっているのでしょう。ではお年寄りはなぜ八重歯が喪失してしまうのでしょうか。年をとるとむし歯や歯周病(歯槽膿漏)になりやすいからです。ですから、健康のためには八重歯はよくないのです。叢生は見た目ばかりか、むし歯や歯槽膿漏、口臭の原因にもなります。
なりやすいタイプ ⇒歯に対してあごの骨が小さいために起こります
☆乳房(母乳)哺育経験がない、または少なかった。
ほ乳びんで飲むときに比べ、母乳を飲むときには乳児は舌やあごを大きく動かし使っているようで、この時からあごを鍛えることが始まっているようです。
☆食欲がなく、胃袋が小さい
すぐお腹がいっぱいになるわりに、すぐにお腹が減って三食をきちんと食べられません。そのために、お菓子のつまみ食いなどをすることで、結果的に食事をきちんと噛むことが不足してしまいます。
☆食事のとき足がブラブラして床についていない
☆離乳食を上手に噛むことが苦手
肉や野菜のエキスだけチューチュー吸って、繊維質をペッと吐き出す子は叢生になる可能性が高いと言えます。
☆宵っ張りの朝寝坊、運動不足で食欲がわかない
☆奥歯ですりつぶすような噛み方をしていない
あごに噛む力を伝えるには、ちょこちょこ噛むのではなく、奥歯ですりつぶすようにしっかり噛むことが
大事です。
予防・対策⇒しっかり噛む生活を送りましょう
☆乳房(母乳)哺育を心がける
母乳が出にくくミルク哺育でも、スキンシップも兼ねて乳房を吸わせるだけでも良いようです。
☆哺乳ビンは、噛むタイプの乳首を利用する
☆外遊びや身体を動かし、よく歩かせる
食欲増進につながります。
☆噛まないとのみこめないメニューにする
(和食中心に)
☆踏み台つきのイスを用意する
☆ひとくち30回を心がける
2 上顎前突
上の前歯が下の前歯に比べて、前へ突出している歯並びをいいます。これには、上の前歯が出ているタイプと下の歯や顎全体が後退しているタイプがあります。成長期であれば、この顎全体の大きさのコントロールができますが、成人では、顎の大きさは手術をする以外にはかえられません。原因は遺伝的なもののほかに、小さい頃からの癖があります。指しゃぶりや下唇をかむ癖です。癖がある場合はまずそれを取り除くことが一番先、それから装置治療なども行っていくことがあります。
なりやすいタイプ⇒上顎前突も開咬も生活習慣が大きく関係します
☆唇の筋肉が無力で上唇がめくれあがっていて
唇が閉じられない、いつも口が開いている。
☆姿勢が悪い
だらしなく口が開いて前かがみに
なっていると、下あごの発達が
阻害されてしまいます。
☆舌前突癖がある
ものを飲み込んだり、サ行やタ行を発音するときに舌を上下の歯に挟むくせがあると、上あごが前に押し出されてしまいます。
☆おしゃぶりを長期・長時間使用している
☆拇指吸飲癖がある
指しゃぶり、舌やくちびるを吸ったり噛んだりするくせがあると、多くの場合、上顎前突・開咬がみられます。
☆口呼吸をしている
アデノイドなど、鼻疾患が疑われる場合もあるので、
耳鼻科で検査されてもよいかもしれません。
3 反対咬合・下顎前突
いわゆる「受け口」のことです。下の前歯が上の前歯に比べて、前へ突出している歯並びをいいます。これには、下の歯や下顎が出ているタイプと上の歯や上顎自体が後退しているタイプがあります。成長期であれば、この顎自体の大きさを成長に合わせてコントロールできますが、成人では、顎の大きさは手術をする以外には変えられません。
顎・顔面・頭部の成長発育の特徴を考えてみると、頭がまず大きくなり、顔の真ん中が伸び、最後に顎が成長します。
したがって、上顎の位置する顔の中央部を大きくするには早めに治療しなければならないわけです。
なりやすいタイプ⇒遺伝のほか、乳歯のむし歯も原因になります
☆親族に反対咬合(受け口)の人がいる
☆もしくは外科矯正をした人がいる
☆乳歯を咬ませたとき、下の前歯が上の前歯より前に出ている
前に出ている下の前歯の数が4本以内なら自然に治る可能性がありますが、6本以上で骨格的に問題がある場合は、幼児期に骨格改善を目的とした矯正治療をしたほうがよいでしょう。
☆指しゃぶりや爪かみをする
舌の歯を引っぱるような指しゃぶりや爪かみによって歯の向きが傾くと反対咬合の原因になります。
☆乳歯の奥歯が大きなむし歯になってしまった
乳歯の奥歯を重度のむし歯にすると、下あごを支えられず、下あごの前方で噛むことになってしまいます。
予防・対策⇒早め早めの相談を!
☆背が伸びる前に矯正治療を始める
背が伸びて下あごの骨が伸びる前に矯正治療を行い、上あごの成長を促しましょう。
ただし、幼児期に矯正治療を行っていったん治った場合でも、成長期にあごの骨もぐんと伸び、二期目の矯正治療が必要になることもあります。
☆下あごを突き出すような遊びはしない
下あごを突き出して遊んだりすると、反対咬合になってしまうことがあります。ほどほどにするよう言い聞かせましょう。
4 開咬
オープンバイトとも言われます。上下の前歯が合わず、開いてしまう「不正咬合」をいいます。
これでは、前歯でものをかみ切ることができません。なかには側方、つまり横に並んだ歯が上下でかみ合わない場合もあります。この場合は、ものをよくかむことができません。開咬は、発音にも悪影響を及ぼします。「口呼吸」と呼ばれる習慣、つまりいつも口を開けて、口で息をしてしまう習慣が、開咬といっしょになると、歯肉炎にもなるます。
開咬の歯並びが生じる原因は、遺伝的なものが多く関与しているといわれてますが、長い間の癖も大きな原因となります。
舌や指を前歯でかんでいれば、前歯が正しい位置まではえてこなかったり、逆に歯肉のなかへうまってしまうことになります。いったん開咬が発現すると、ものを飲み込むたびに開いているところへ舌を当てるために開咬は悪化します。
予防・対策⇒早めにくせを直しましょう
☆指しゃぶりやおしゃぶりを止めさせる
なかなか止められないときは、スキンシップを増やしながら、くせから気をそらすためにほかの手遊びや全身遊びに切り替えてあげましょう。
☆舌や唇、嚥下のトレーニングをする
唇や舌などの正しい使い方を学ぶ口腔筋機能療法で、唇を閉じること、舌を上あごにつけて飲み込むことなどを順を追って練習します。
☆よい姿勢を保てるように、全身の筋肉を鍛える
外遊びなど体を動かす遊びを通じて腹筋と背筋を鍛え、姿勢をよくしましょう。
☆鼻呼吸ができる子にする、食事の前に鼻をかんだり
耳鼻科で検査してみるのもよいでしょう。
5 過蓋咬合
前歯のかみ合わせが深い「不正咬合」をいいます。これは、見た目が悪いばかりではなく、歯槽膿漏や顎関節症の原因となる場合もあります。下の歯が上の歯の裏側の歯肉にささったようなかみ合わせでは、かむたびに上の歯肉が痛められることになり、上の前歯が早期に喪失してしまうことにもなりかねません。
また顎関節に異常が生じ、かむと痛くなったり、口を開けづらくなることとの関係が指摘され、研究がつづけられています。
なりやすいタイプ⇒集中力のある子に多い?! 猫背に注意
☆唇や口腔周囲筋を緊張(=収縮)させるくせがある
☆姿勢が悪い
☆集中力があって手先を使った細かい作業が好き
☆無口
☆猫背で食事する
☆両手でほおづえをつくくせがある
予防・対策⇒姿勢を正し、集中して同じことをしてる時は休憩を
☆唇やあごが緊張して「ウメボシ」が見えたら気づかせる
口を開けさせたり、下あごをマッサージすると、口腔周囲筋がゆるみます。
☆下あごの部分を親指と人差し指でそっと持ち、ふわふわしているときに褒める
口の周りがリラックスした状態で唇を閉じる練習をします。
☆集中して同じ作業をしている時は声をかけ、休憩をはさむついでに会話をしたりし、口を開けさせる
☆楽しい雰囲気の食事タイムを
食事中に叱られながら食べると、猫背になって過蓋咬合を招いてしまいます。反対に、褒められながら食べれば自然と姿勢はよくなり、楽しい雰囲気で食事をするとお話もはずみ、過蓋咬合の予防になります。
☆なるべくお話しをさせる
絵本の読み聞かせの際、質問をして子どもが言葉を発するように仕向けたり、大きな声で歌を歌うなどもよいでしょう。下あごが動くので、過蓋咬合の予防になります。
☆大きな声を出しながら全身運動になるような遊びをする
例:だるまさんがころんだ、鬼ごっこ、潮干狩り、海遊びなど。
家族でアウトドアで休日を過ごすと大きな声を出し、
身体を動かしてお腹が空くので、過蓋咬合対策になります。
☆正しい姿勢で食事をする
ほおづえなどのくせも直す。
6 交叉咬合
これまでに掲げた「不正咬合」は、代表的なもので、実はその複合されたものや、左右的にずれのあるものもあります。
交叉咬合とはクロスバイトとも言われます。
上下の奥歯が横にずれている噛み合わせです。下顎が偏位しているいわゆる顎変形症(顎編位症)は、見た目が悪いだけでなく、顎関節症を伴うこともあります。
なりやすいタイプ⇒あごの形をゆがめるくせが奥歯の位置をずらしてしまいます。
☆3歳をすぎても指しゃぶりが続く
乳幼児期の指しゃぶりは生理的なものですが、長期間にわたって指しゃぶりを続けると、上あごと上の前歯が前に飛び出て左右の幅が狭くなり、順調に発達している下あごの歯と噛み合わなくなってしまいます。
そのため常に奥歯を横にずらしてかみ合わせる習慣がつき、あごそのものが左右にずれてしまいます。
☆どちらか片方を向いて食事をする
☆片側だけで爪かみをする
☆左右どちらかの顔を下にして寝るくせがある
☆ほおづえをつくくせがある
本来なら下の奥歯より外になるはずの上の奥歯が内側になっているのが交叉咬合ですが、奥歯が完全にすれ違うと「はさみ状咬合(シザーズバイト)」となってしまいます。
これではうまく噛めません。
予防・対策⇒くせを直しましょう
☆手先を使ったあそびなどで、指しゃぶりや爪を噛むくせを忘れさせる
3歳以上なら、そろそろ指しゃぶりから卒業したいところ。
何か気をそらせることをさせて、くせを忘れさせてあげましょう。
☆ドーナツ枕を用意して大の字に寝かせる
健康のためにも、大の字で仰向けに寝ると良いでしょう。
☆食事の時間はテレビを消す
食事の時間にテレビが見たくて、体を片方に向けたまま食事をしていると交叉咬合になりがちです。
食事が済んだらゆっくり見せてあげてください。
矯正治療の効果
歯並びを良くすると、以下のようなさまざまな効果があります。
美容上の効果
見た目を良くしたいという願いは、矯正治療を受けたいと思う人のほとんどの思いでしょう。美容整形やエステにより容姿が変わっても歯がでこぼこでは気持ち良く笑うことはできません。健康的な美しさは、スマイルからです。
よくかめるようになる効果
「不正咬合」では、食事をおいしく食べることができません。
前歯が合わなければ、食べ物をかみ切ることもできないでしょう。でこぼこの歯並びでは、むし歯や歯周病(歯槽膿漏)になり、歯を失う原因にもなりかねません。
うまくしゃべれるようになる効果
英会話にかぎらず、日本語でもかなり無理な発音をしている人がいます、よく見ると前歯が上下でぴったり合っていません。スペースができてしまっています。前歯を開けたままでしゃべれますか。正確な発音は歯が正しい位置にないとできないのです。
性格が明るくなる効果
今まで歯並びが悪いということで、人前で消極的だった人が、矯正治療と歯の美白により社交的になるということはよくあることです。矯正治療を開始する前は、いつも下を向いてめったに笑わなかったネクラの女子中学生が、歯並びがきれいになると口を大きく開けて笑い、目の輝きが違ってくるなどということをよく聞きます。きっと、学校のクラスでは中心的存在になっているのでしょう。その子の人生は、矯正治療により180度変わったことになります。
仕事がうまくいく効果
「不正咬合」は、印象が悪いのでビジネス(商談)にとても不利な条件となることがあります。アメリカでは、歯並びが悪いだけで信頼されないこともあります。ほとんどの人が矯正しているのに、「不正咬合」のままでいることは社会からはみ出した人間であるように思われるのでしょう。
また、「不正咬合」は口臭の原因にもなります。口臭のある人は自他ともに不都合な関係や不愉快な感情をもちやすいものです。
混合歯列期の矯正治療の目的
1 骨格的改善
2 スペースの獲得
3 永久歯の萌出誘導
4 不正永久歯列の予防、悪化防止
小児矯正治療法の一例
ムーシールド矯正法
当院では3歳児からの受け口治療として、ムーシールド矯正法をお勧めしています。
受け口は自然に治るか、治らないか。
遺伝的なものは治りません。2歳での自然治癒率は50%ですが、3歳になると反対咬合の自然治癒率は6%となります。
また遺伝はなくとも骨格的に固まってしまった場合、早期治療はできません。
成長期の歯が原因の咬み合わせ異常は装置を使用することで治せます。
マウスピース型の矯正装置で就寝中にマウスピースをくわえるだけの簡単な装置です。正常な顎骨の成長発育の促進と口腔周囲・舌の筋の状態を整えて、反対咬合を改善します。
料金:矯正装置\30,000 調整料\1,000〜\3,000
床矯正装置
床矯正の治療では、基本的には永久歯を抜歯せずに、顎自体を拡げて、歯のはえる場所を確保して、歯を並べます。
大人でもできますが、基本的には成長過程である子どもの矯正です。
写真の様なネジ付き装置で少しずつ(1ヶ月約1mm)顎を広げて、正しい位置に誘導します。
入れ歯のように取り外し可能な装置です。形状記憶合金のワイヤーを使うこともあります。
(機械的な矯正治療)拡げる速さは自分で加減できます。
また、咬む運動、食事環境の指導、悪習慣の除去等を組み合わせ、歯の土台となる骨の正常な発育を促し、顎全体を広げて、歯の入るスペースを確保して、歯を並べる方法です。
顔の形も整えます。(生物学的な機能療法)
基本的に永久歯を抜かずに顎を正常な大きさまで拡大して歯並びを整えます。
発育不足の顎を歯の並ぶ正常な大きさに拡大することにより、又、「咬む」という運動刺激を顎の骨に加える事により、顔の骨格の発育がうながされ、本来あるべき正しい顔の形に整えられます。
人が発育しようとする自然の力をも利用した矯正なのです。
料金:矯正装置\150,000〜\300,000 調整料\1,000〜\3,000